吾輩はおっさんである。臭いもある。

今回は完全にぼくの独断と偏見による内容である。

他の人がどう考えているかは全くわからないので、一個人の意見として読んでほしい。

そして、これは自分自身に言い聞かせるために書くものであり、他人をとやかく言うつもりは一切ない。

第一章:おっさんであることの自覚

40歳を過ぎて数年が経った。

ここ最近「老い」というものを感じるようになってきた。

いや、老いというより「おっさん」を自覚するようになったと書くべきか。

思えば30代まで、ぼくは意味不明な自信に満ち溢れていた。

「生涯がモテ期」とすら思っていた。

根拠は何もないが、ただそう思っていた。

海原雄山が「これが至高の一品だ」と言い切るのと同じ自信で、「おれはモテる」と思い続けていた。

しかし現実はそう甘くない。

40を過ぎると確実におっさんである。

試しに思い出してほしい。

自分が10代20代だった頃、40代の男を見てどう思っていたか。

「おっさんだな」以外の感想はなかったはずだ。

その「おっさん」に今の自分がなっているのである。

変な実を食べた少年がゴム人間になって海賊王を目指してから約30年。

桜木花道がバスケ部に入部して約35年。

悟空がブルマと出会って約40年。

炭治郎ですら鬼舞無惨を滅してから6年も経っている。

現実は厳しいのだ。

整骨院だけでなくどこであっても、女性がぼくの話を聞いて笑ってるのは、全てぼくに気を使って笑っていると思っている。

特に自分より若い女性が笑ったときは、確実に適当に笑っているだけである。

こんなおっさんの話を聞いて面白いはずがない。

社会を円滑に回すために、その女性たちは仕方なく笑っているのだ。

なのでぼくはなるべく不愉快な思いをさせないように、最新のネタを仕入れている。

とはいえ、最新のネタをベラベラ喋るとただの痛いおっさんになるので、どんなに知っていても「ちょっと知ってるよ」程度にしか話さない。

ピエロを演じ切るように心掛けている。

第二章:おっさんの口腔ケアは死活問題

おっさんが社会で生きるために、まず最初に対処しなければならないのが口臭である。

ぼくの口腔ケアルーティンを紹介しよう。

食後の歯磨き、マウスウォッシュ、ブラッシング、朝夜の舌磨き(専用ブラシ&クリーニングジェル使用)、夜はさらにフロス、電動歯ブラシ、歯間ブラシを追加。

こんなのおっさんならやって当たり前なのだ。

先日、ヤフーニュースのトップに「口からウンコの臭いがする人がいる」という記事が出ていた。

記事を読んでいるだけで臭ってきそうな内容だったが、ぼくは隈なく読んだ。

まるで受験生が赤本を読み込むように、一字一句逃さず読んだ。

そして心に誓った。

「ぼくの口からウンコの臭いはさせない」と。

これは現代を生きるおっさんの心の誓いである。

食事面でも徹底している。

肉や脂っこいものばかり食べると口臭に出るので野菜中心の食生活を心掛けている。

ただし、ネギ類は口臭の元になるので極力控えている。

コーヒーを飲んだ後の歯磨きとマウスウォッシュは必須だ。

コーヒーと口内細菌の組み合わせは、三沢と小橋のタッグくらい強烈である。

プロレスファン以外に伝わるかどうかはわからないが、とにかくその組み合わせは強烈なのだ。

これにタバコが加わると、闘魂三銃士レベルの伝説レベルの口臭が完成するが、ぼくはタバコを吸わないので辛くも回避している。

第三章:ランニング中の生存術

ぼくはランニングをしている。

このブログを読んでいる方は男性ランナーが多いと思うので、ここは特によく読んで今後の役に立てていただきたい。

これはおっさんランナー向けの生存マニュアルである。

まず朝ランの前に、マウスウォッシュとブラッシングをしてから出発している。

朝起きたてのおっさんの口の臭いといったら、アントニオ猪木のビンタくらい強烈だ。

その臭いを保持したまま外に出てランニングをするとどうなるか。

すれ違うすべての人に対して、猪木ビンタを食らわせながら走ってるようなものだ。

「元気ですかぁ!」もとい、「臭いですかぁはぁぁ!」と言いながら猪木ビンタをして走っているのだ。

即逮捕案件である。

しかし、口臭問題より遥かに難易度が高い試練がランニング中には訪れる。

それは、前から女性ランナーが走ってくる問題である。

自分の汗の臭いで不愉快な思いをさせたらそこで試合終了だ。

男性ホルモンと汗が混ざった臭いというのは異常な臭いを放つので、その状態で女性に近付いてはならない。

なのでまず風向きの確認から始まる。

サバンナの獰猛な肉食動物が必ず獲物の風下に陣取るように、おっさんは風下の位置をダブルチェックしながらすれ違わなければならない。

横をすれ違う10メートル手前からは呼吸を止める。

これは、ぼくの親戚の友達のひいおばあちゃんが言ってた記憶がある。

顔を直視してはならない。

正面を見ながら、存在を消し、無となる。

理想はすれ違った後に「あれ?今なにか通った?」と思われることだ。

それがおっさんランナーとしての最高評価である。

なので、もしランニング中にぼくと出会って愛想が悪いと感じたら、それはおっさん臭を嗅がせたくない必死の抵抗だと思ってほしい。

悪意は一切ない。

ただただ、臭いのだ。

相手が男の場合はどうでもいい。

むしろ風上にいるように心掛けている。

男同士はお互いどう頑張っても臭いのでおあいこである。

男なんて知ったこっちゃない。

第四章:ナンパランという謎の行動

ここで、ランニング界に存在する信じられない生き物について触れなければならない。

走っている見知らぬ女性に声を掛ける男が存在するらしい。

ナンパランである。

恐ろしい。

最近グループ活動を停止した嵐クラスの人が声を掛けるならまだ理解できる。

しかし、どこの馬の骨ともしれぬおっさんが、ランニングを楽しんでいる女性に話しかけるとはどういう神経をしているのか。

三沢のエルボーくらい衝撃的な行為である。

逆の立場で考えてほしい。

あなたが女性として走っていたとする。

前から息を切らした見知らぬおっさんが近づいてきて、「よく走るんですか?」と話しかけてくる。

ただでさえ警戒してるおっさんにそんなことされたらトラウマ級の出来事だろう。

「いや、自分が話しかけたらそんな風に思われることはない」と思ったらそこで試合終了である。

ぼくは自分自身に走っている女性を直視することすら禁じている。

江戸時代の殿様を直接見ることが許されなかったように、走っている女性はそういう存在として扱わなければならない。

もはやランニング中にランニングしてる女性を見ただけでセクハラ認定される世界線で生きていると思っている。

だから前だけを見る。

ただ前だけを見て、自分はこの世に存在してはならないものとして、静かに無となってすれ違う。

マラソン大会の時も同様だ。テンションが上がってついつい隣の女性に話しかけたくなるが、そこは全力で自分を律する。

女性は自分のことを気持ち悪いとしか思ってないし、なんならウンコ野郎と思ってるかもしれない。

ウンコが話しかけてきたら、女性は驚くとともに避けるはずだ。

だからぼくはウンコとして大会に挑んでいる。

スタートラインには、ウンコが一個立っている。

それがぼくだ。

第五章:洗剤と範馬勇次郎

臭いの話が続くが、洗剤についても書かなければならない。

ぼくは無香料の洗剤を使っている。

おっさんからフローラルな香りがしてきたところで何の魅力もない。

通りすがりにバラの余韻を残すおっさんなど、誰も求めていない。

最悪なのが香害と呼ばれる強い匂いの洗剤を使うことだ。

これにおっさんの汗と男性ホルモンが混ざると何が起きるか。

範馬勇次郎の誕生である。

地上最強の生物である範馬勇次郎に勝てるわけがない。

もはや誰も近付けない。

それくらい最強の臭いを放つのが香害おっさんである。

おっさんとは、正しいケアを怠った瞬間に範馬勇次郎と化す生き物なのだ。

ぼくは汗拭きシートや替えのTシャツなどを極力持って行動するようにしている。

体臭も食べ物や飲み物に依存しやすいので気を付けなければならない。

範馬勇次郎にならないよう努力を怠ってはならない。

第六章:トムトム詐欺被害報告

娘を持つぼくが被害を受けている犯罪について報告する。

トムトム詐欺である。

ぼくはトップガンが好きで年に一度は観る。

それを知っている娘が、時折こう言う。

「お父さんってトム・クルーズに似てるよね」

馬鹿なぼくはこれを真に受けていた。

鏡を見ながら「たしかにそうかも」とすら思っていた。

しかし娘には巧妙な計画があった。

この台詞は必ずお小遣いのおねだりや、何かを買ってほしいタイミングの直前に投下されるのである。

30代の頃はこれで何度も騙された。

今は自分のことを江頭2:50だと思うようにしているので抜かりはない。

エガちゃんは古来より一貫しておっさんの権化であった。

アサヤンの頃からのファンとして断言する。

そのエガちゃんと自分を同一視することで、娘のトムトム詐欺に引っかかることなく、冷静に「何が欲しいの」と聞けるようになった。

精神的成長を成し得たのだ。

第七章:おっさんの脚問題

ボテっとしたおっさん腹にはなりたくないので走るしトレーニングもする。

最近世の中で浮上したのがおっさんのハーフパンツ問題だ。

毛むくじゃらの脚を世界配信する勇気はない。

しかし、綺麗に脱毛された白くツンツルテンの脚を出す勇気もない。

となれば中途半端に脱毛して、適度に日焼けするしかない。

波平の髪の毛方式で脚の毛を管理するのだ。

波平は頭の天辺に一本だけ毛が生えているが、あの一本の存在感は異常だ。

あれくらい絶妙なバランスで脚の毛をコントロールしなければならない。

おっさんの脚は繊細なアートであるべきだ。

終章:ぼくはウンコだが、清潔なウンコだ

スキンケアも怠らない。

ランニング後は特に重要で、汗が酸性を帯びているためそのまま放置すると肌に悪い。

シャワーの後は化粧水で丁寧にケアする。

亜鉛とビタミンA、ビタミンCとE、たんぱく質も摂る。

たんぱく質は摂って当たり前だ。

そこまでやって、やっと女性と話せるスタートラインに立てる。

しかし、立てたはいいがオヤジギャグが止まらない。

もはや自分でもコントロールできない。

整骨院で何か良いことがあったら「北島〜!」と言ったら「三郎?康介?」と愛想笑いをいただいたりする。

夫婦で来ている患者さんには「出た出た」と失笑される。

しかし、20代の女性に言うと気まずい沈黙が訪れる。

いつまでも北島のサブちゃんやコウちゃんに頼っていてはいけないと思い、「きたきたきた北川景子!」にアップデートすることにした。

北川景子なら全年代に通じるだろう。

しかし、仮にそこで笑ってもらえたとしても、それはおっさんに気を遣った社会を円滑に回すための愛想笑いだということは心に刻んでいる。

あぁ、悲しいかな。

ぼくはトム・クルーズでもなければ、人生モテ期でもなく、波平に近付いているただのおっさんだ。

ウンコとして大会に出て、猪木ビンタをばらまかないようマウスウォッシュして、風下に立ち、毎朝鏡に映る自分に向かって「お前は江頭2:50だからな」と言い聞かせて一日を生き抜く。

いつかは波平すら追い越す日が来るだろう。

その時、ぼくはどこの世界線で生きているのか。

きっとどこかで愛想笑いをしてくれた女性に「笑っていただきありがとうございます」と薄い頭を下げているだろう。

それがたとえ社会を円滑に回すための笑いだとしても、ウンコはウンコなりに、今日も清潔に生きていく。

余韻を残さず、無となって明日を生き抜いていこう。

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